医 療 行 為  〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜  読んで字の如し、医師にしか認められていない行為
  医師法17条で「医師でなければ医業をなしてはならない」



 チューブでのたんの吸引や、腹部に開けた穴から管で栄養液を注入する「経管栄養」、管を使って排尿を促す導尿(自己導尿)、人工肛門のフランジ交換及びパウチ(蓄便袋)交換、ぼうこう洗浄などの行為を、基本的に医師や看護師しかできない医療行為としており、介護保険制度では原則としてヘルパーには認めていない。

  しかし、身内(何等親までかは?)は医療行為を行ってよい??

 私は現在、自己導尿(高熱や尿路・膀胱感染時)・人工肛門(フランジ・パウチ交換を毎回)を家族の介護で処置してもらっている。

 ところで、
 医師にしか認められていない医療行為の「気管挿管」が、ようやく救急救命士にも容認されることに。この問題は昨年、秋田市の救急救命士が気管挿管を恒常的に行っていたことが発覚し、厚生労働省と総務省で検討を重ねてきたとのこと。

 国は省令改正などを踏まえ2004年7月から、気管挿管を30症例以上行うなどの病院実習を修了した救急救命士に限って認める方針。

 心臓や呼吸が停止した患者の口や鼻からチューブを気管に入れて人工呼吸を行う気管挿管は、患者の生死と隣り合わせの行為だけに、救急救命士たちはやり切れない心の葛藤を続け、苦渋の選択を迫られていたことでしょう。

 と、同時に、
 在宅や福祉施設などの介護現場で働くヘルパーたちの医療行為にも、一石を投じたのでは・・

 ある民間の調査では、ヘルパーや福祉現場で働く介護職員の9割以上が、導尿や点滴の抜針、インシュリン投与などの医療行為を経験しているという回答が。その大半が、介護保険利用者や家族からの依頼によって行ったとのこと。

 在宅医療では家族による医療行為が認められているが、難病患者や障害者・寝たきり老人等を在宅で24時間介護する家族にとってはあまりにも負担が重い。

 この負担を軽減するため、全身の筋肉が動かなくなる難病の筋委縮性側索硬化症(ALS)の患者たちでつくる「ALS協会」は、約18万人の署名を集め、ヘルパーに吸引を認める要望書を厚労相に提出しました。

 これを契機に「医療行為」という名のもとで、現場ではできなかった介護(これまで家族が行っていた医療行為)ができる様になれば家族は助かることでしょう・・・・期待したい!

 医師会・厚生労働省もこれまで「医療行為の名のもとに」家族に負担を掛けさせていたことを認識して欲しい!
                          

新聞・メディアを参照
(2002/12/13)




    医 療 行 為 例

蓐瘡処置


床擦(とこずれ)処置の事。皮フ、粘膜が常に圧迫されていると血行障害
におちいり、潰瘍状になる。そこで、患部の清掃、消毒、湿布、ガーゼ交
換、軟膏の貼薬(ちょうやく)等が必要となります。
血圧測定


高齢者の場合、入浴に関しての事故が多い。高血圧等、循環器系の基礎疾
患がある場合、必ず入浴前に血圧測定が必要です。この様な場合、血圧測
定も医療行為とされています。
吸 引

口や鼻、のどの一部、気管内挿管チューブからの痰(たん)粘液、分泌性
体液などを吸引すること。口腔ケア時にも行う必要が生じてきます。
吸 入

ぜんそく、気管支炎等の呼吸器系疾患の場合や痰(たん)を出しやすくす
る為に蒸気や薬液を噴霧状にして吸わせる事。
経管栄養





何らかの理由で口から生命維持に必要な食物栄養を摂取できずに、鼻から
チューブ(管)を通して胃に直接、栄養物や水分などを送り込む方法を言
います。何らかの理由とは、口腔、咽喉、食道などに異常がある場合や中
枢神経や脳血管などに異常があり、結果として摂食に障害が認められる場
合などに行なわれます。原則は医療行為なので介護者、ヘルパーは医療者
と連携の上行う必要あり。要注意。
胃ろう



経管栄養法の一種。経管栄養法は一般的に鼻から胃へチューブを入れ栄養
補給を行いますが、胃ろうは、わき腹からチューブを胃に入れ直接1日3
回程度栄養を入れる方法。普段はわき腹のチューブの口をボタン状のもの
で蓋をしてある。経鼻法より肉体的負担が少ないと言われています。
点 滴

静脈の血管に少し太めの針をさし、栄養、電解質、薬物などを体に投入す
る方法。
摘 便
肛門から指をさしこみ、直腸の溜まった便をかき出す事。
その他

「医療行為」の範囲は広く、つめ切り、浣腸、点眼、服薬管理、体温測定
まで含まれるが、こうした行為も禁じられている。


介護時のつめ切りや検温、医療行為から除外 (厚労省)


2005年03月31日


つめ切りや薬の内服介助など、介護が必要な人に対して、医師や看護師しか認められていない「医療行為」について厚労省は31日、範囲を見直し一部を除外、だれでもできるようにすることを決めた。

医療行為には、医療とする根拠があいまいなものも含まれ、介護の際、ヘルパーなどが実施できないため、家族の負担が大きいことなどが指摘されてきた。
「つめ切り」、「湿布のはり付けや軟膏塗布」、「座薬挿入」、「薬の内服の介助」、「浣腸」、「検温」、「血圧測定」などが原則的に医療行為から外される見通し。厚労省は、医療や介護の専門家らに意見を聞き、今春にも都道府県などに通知する。

厚労省はこれまで、耳掃除や検温なども医療行為だとしており、患者から要望があっても、違法となるためにできず、介護現場では見直しを求める声が強かった。

入院治療の必要がなく容体が安定し、医師の経過観察も不要な患者であれば、目薬の点眼や軟膏の塗布、あらかじめ分包されている薬の服用、鼻の穴から薬剤を吸入するネブライザーの介助も認める。
軽い切り傷や擦り傷、やけどなどのガーゼ交換もできる。

一方、2月に「例外的にやむを得ない」と、ヘルパーらに条件付きで解禁された在宅患者の「たん吸引」や、重い障害のある子どもに対する養護学校の教員によるチューブ栄養の実施は、引き続き医療行為に含まれる。

2005.4.14 記




医師法第17条、歯科医師法第17条及び保健師助産師看護師法第31条の解釈について
医政発第0726005号  平成17年7月26日 各都道府県知事 殿                                厚生労働省医政局長  医師法第17条、歯科医師法第17条及び保健師助産師看護師法第31条の解釈について(通知)  医師、歯科医師、看護師等の免許を有さない者による医業(歯科医業を含む。以下同じ。)は、 医師法第17条、歯科医師法第17条及び保健師助産師看護師法第31条その他の関係法規によっ て禁止されている。ここにいう「医業」とは、当該行為を行うに当たり、医師の医学的判断及び技 術をもってするのでなければ人体に危害を及ぼし、又は危害を及ぼすおそれのある行為(医行為) を、反復継続する意思をもって行うことであると解している。   ある行為が医行為であるか否かについては、個々の行為の態様に応じ個別具体的に判断する必要 がある。しかし、近年の疾病構造の変化、国民の間の医療に関する知識の向上、医学・医療機器の 進歩、医療・介護サービスの提供の在り方の変化などを背景に、高齢者介護や障害者介護の現場等 において、医師、看護師等の免許を有さない者が業として行うことを禁止されている「医行為」の 範囲が不必要に拡大解釈されているとの声も聞かれるところである。  このため、医療機関以外の高齢者介護・障害者介護の現場等において判断に疑義が生じることの 多い行為であって原則として医行為ではないと考えられるものを別紙の通り列挙したので、医師、 看護師等の医療に関する免許を有しない者が行うことが適切か否か判断する際の参考とされたい。  なお、当然のこととして、これらの行為についても、高齢者介護や障害者介護の現場等において 安全に行われるべきものであることを申し添える。   (別紙) 1 水銀体温計・電子体温計により腋下で体温を計測すること、及び耳式電子体温計により外耳道   で体温を測定すること 2 自動血圧測定器により血圧を測定すること 3 新生児以外の者であって入院治療の必要がないものに対して、動脈血酸素飽和度を測定するた   め、パルスオキシメータを装着すること  4 軽微な切り傷、擦り傷、やけど等について、専門的な判断や技術を必要としない処置をするこ   と(汚物で汚れたガーゼの交換を含む。) 5 患者の状態が以下の3条件を満たしていることを医師、歯科医師又は看護職員が確認し、これ   らの免許を有しない者による医薬品の使用の介助ができることを本人又は家族に伝えている場   合に、事前の本人又は家族の具体的な依頼に基づき、医師の処方を受け、あらかじめ薬袋等に   より患者ごとに区分し授与された医薬品について、医師又は歯科医師の処方及び薬剤師の服薬   指導の上、看護職員の保健指導・助言を遵守した医薬品の使用を介助すること。具体的には、   皮膚への軟膏の塗布(祷瘡の処置を除く。)、皮膚への湿布の貼付、点眼薬の点眼、一包化さ   れた内用薬の内服(舌下錠の使用も含む)、肛門からの坐薬挿入又は鼻腔粘膜への薬剤噴霧を   介助すること。 (1) 患者が入院・入所して治療する必要がなく容態が安定していること (2) 副作用の危険性や投薬量の調整等のため、医師又は看護職員による連続的な容態の経過観察    が必要である場合ではないこと (3) 内用薬については誤嚥の可能性、坐薬については肛門からの出血の可能性など、当該医薬品    の使用の方法そのものについて専門的な配慮が必要な場合ではないこと  注1 以下に掲げる行為も、原則として、医師法第17条、歯科医師法第17条及び保健師助産師    看護師法第31条の規制の対象とする必要がないものであると考えられる。 (1)爪そのものに異常がなく、爪の周囲の皮膚にも化膿や炎症がなく、かつ、糖尿病等の疾患に伴う 専門的な管理が必要でない場合に、その爪を爪切りで切ること及び爪ヤスリでやすりがけするこ と (2)重度の歯周病等がない場合の日常的な口腔内の刷掃・清拭において、歯ブラシや綿棒又は巻き綿 子などを用いて、歯、口腔粘膜、舌に付着している汚れを取り除き、清潔にすること (3)耳垢を除去すること(耳垢塞栓の除去を除く) (4)ストマ装具のパウチにたまった排泄物を捨てること。(肌に接着したパウチの取り替えを除く) (5)自己導尿を補助するため、カテーテルの準備、体位の保持などを行うこと (6)市販のディスポーザブルグリセリン浣腸器(※)を用いて浣腸すること ※  挿入部の長さが5から6センチメートル程度以内、グリセリン濃度50%、成人用の場合で4 0グラム程度以下、6歳から12歳未満の小児用の場合で20グラム程度以下、1歳から6歳 未満の幼児用の場合で10グラム程度以下の容量のもの 注2 上記1から5まで及び注1に掲げる行為は、原則として医行為又は医師法第17条、歯科医師 法第17条及び保健師助産師看護師法第31条の規制の対象とする必要があるものでないと考 えられるものであるが、病状が不安定であること等により専門的な管理が必要な場合には、医 行為であるとされる場合もあり得る。このため、介護サービス事業者等はサービス担当者会議 の開催時等に、必要に応じて、医師、歯科医師又は看護職員に対して、そうした専門的な管理 が必要な状態であるかどうか確認することが考えられる。さらに、病状の急変が生じた場合そ の他必要な場合は、医師、歯科医師又は看護職員に連絡を行う等の必要な措置を速やかに講じ る必要がある。  また、上記1から3までに掲げる行為によって測定された数値を基に投薬の要否など医学的な判断 を行うことは医行為であり、事前に示された数値の範囲外の異常値が測定された場合には医師、歯 科医師又は看護職員に報告するべきものである。 注3 上記1から5まで及び注1に掲げる行為は原則として医行為又は医師法第17条、歯科医師法 第17条及び保健師助産師看譲師法第31条の規制の対象とする必要があるものではないと考 えられるものであるが、業として行う場合には実施者に対して一定の研修や訓練が行われるこ とが望ましいことは当然であり、介護サービス等の場で就労する者の研修の必要性を否定する ものではない。また、介護サービスの事業者等は、事業遂行上、安全にこれらの行為が行われ るよう監督することが求められる。 注4 今回の整理はあくまでも医師法、歯科医師法、保健師助産師看護師法等の解釈に関するもので あり、事故が起きた場合の刑法、民法等の法律の規定による刑事上・民事上の責任は別途判断 されるべきものである。 注5 上記1から5まで及び注1に掲げる行為について、看護職員による実施計画が立てられている 場合は、具体的な手技や方法をその計画に基づいて行うとともに、その結果について報告、相 談することにより密接な連携を隣るべきである。上記5に掲げる医薬品の使用の介助が福祉施 設等において行われる場合には、看護職員によって実施されることが望ましく、また、その配 置がある場合には、その指導の下で実施されるべきである。 注6 上記4は、切り傷、擦り傷、やけど等に対する応急手当を行うことを否定するものではない。
出典 医師法第17条、歯科医師法第17条及び保健師助産師看護師法第31条の解釈について
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