【 電動車いす事故ニュース2題に思う 】
電動車いすの事故急増!
 
電動車いす利用者の交通事故が年々増加し、昨年、一年間の発生件数は207件。統計を取り始めた1996年に比べ倍増。警察庁の調査で20日に発表された。負傷者数、死者数も倍増傾向とのこと。
電動車いすの販売店での「実技指導」は大半が一時間未満で、安全指導が不十分な実態がある。警察庁は利用者の教育プログラムづくりなどの対策が必要としている。

 調査結果
 自動車・自転車など他の車両との接触事故
  96年 89件
      負傷者  88人 死者  2人
  01年 負傷者  191人 死者 11人

現在の電動車いすの普及率は業界団体の統計で84年〜01まで約33万台出荷、ここ数年は3万台のペースで増えているとのこと
昨年(2002/6/20)の新聞記事です。
 
電動車椅子の交通事故件数が過去最悪に


電動車椅子の利用者が巻き込まれた交通事故の発生件数が昨年、統計を取り始めた1996年以降で最も多い207件(前年比20件増)に上ったことが20日、警察庁のまとめで分かった。同庁はお年寄りが無理な操作をして事故につながったケースが目立つとして、安全運転教育を強化していく方針。
 
 電動車椅子の事故は、1996年の89件以降、年々増加。
 昨年の死者は11人、 負傷者は191人。
 
電動車椅子の使用者は道路交通法上、歩行者として扱われているが、実際は、車代わりの移動手段として利用していることが少なくない。交差点で横断歩道を渡らず、乗用車同様に右左折して、車にはねられたり、逆に歩道で乳児をはねることもあるという
                 毎日新聞 介護.COM 2003-6-20 より

高齢者らの電動スクーター
高齢者や障害者に便利な三輪または4輪の電動スクーターの利用が増えているが、それとともに交通事故も増えている。利用者はその操作方法に習熟し、安全に乗りこなす必要がある。電動スクーター(電動カートとも呼ぶ)は電動車いすと違って幅70センチ前後と広く、家庭のコンセントでバッテリーを充電して使う。操作も比較的簡単で、車いすと違って大きなハンドルでスムーズに動く。道路交通法による運転免許の必要も無く、スピードは早歩き程度の時速6キロに抑えられている。
警視庁によると、電動カート(電動車いすも含む)の交通事故は年々増加傾向にあり、2002年には209件と6年前の約1.6倍に増。
死者も2000年に19人、01年に11人と、2年続きで二ケタを台を数えた。年齢別では高齢者が死者の9割、負傷者の7割と多い。死傷事故の9割は相手が自動車でその6割が道路を横断中に起きていた。
東京都高齢者研究・福祉振興財団福祉情報部普及推進室で福祉機器の相談に応じている鈴木実さんは事故を予防するため次のようにアドバイスする。
まず、車の免許を持っている人は要注意。道路交通法では電動スクーターは歩道を走ることになっているが車の運転経歴者は車道を走ることに抵抗感が薄く、事故に遭いやすい。また、電動スクーターは遠目には原付きバイクと似ているため、相手の車が速度の目測を誤りがちだ。
自分の電動スクーターの機能を良く知っておくことも重要。まず、バッテリー切れに注意する。乗った後は必ず充電し、毎日乗らない場合はには乗る前日に必ず充電するようにする。
ついで車輪開放レバーを必ず、確認すること。バッテリー切れなどで、走行中突然停止したとき、カギを抜き車輪開放レバーを操作して、車体
を手で押して移動する必要がある。
                以下省略
        平成15.6.23 西日本新聞 朝刊 生活・文化欄より
 

二紙の記事で、不図、表現に引っかかるところが・・上記、毎日新聞と西日本新聞の記事内容の違いは「毎日新聞」は障害者を名指しで、掲げていないが西日本新聞は見出しに「ら」を付け障害者も含む内容で掲載している。

 疑問を感じ、この記事に対し、西日本新聞に下記メールを出した。
===============================
X-SMTP-Result: 250 Mail queued for delivery.
Date: Mon, 23 Jun 2003 13:22:39 +0900
From: Wheel <wheel@jcom.home.ne.jp>
To: 西日本新聞 文化部 様 <bunka@nishinippon.co.jp>
Subject: 高齢者らの電動スクーター
Message-Id: <20030623123117.7F84.WHEEL-NETアットマークjcom.home.ne.jp>
MIME-Version: 1.0
X-Mailer: Becky! ver. 2.06.02
Content-Type: text/plain; charset="ISO-2022-JP"
Content-Transfer-Encoding: 7bit
西日本新聞社 文化部 御中新開と言います。
本日(6/23付け朝刊)生活・ヒューマン欄を興味深く拝読しました。

感想です。

率直に言いますと
電動車椅子は重度の障害者が足として使用しています「足」の代わりではなく「足」そのものなんです。重度障害者とは身障手帳 一種一級をいいます。その中で、最重度の頚髄損傷者などが国からの電動車いすの給付対象者となります。座位バランスは勿論、肩から下が麻痺しています。
同じ一級でも上肢の状態が良ければハンドリムを回せるということで電動は給付対象ではなく、手動式の車いすです。手が使えるということですね。
よって、レバー操作はわずかに動く「指」や「顎」でレバーを動かし、あるいは風圧センサー(息を吹き掛け)からの電気信号をモーターへ指示します。また、重度ゆえに介助者が付き行動するのが普通で、単独での外出は状態の良い方(本来は電動を必要としないかもしれません)がほとんど。
車いすの操作はリハビリセンターや病院等で社会復帰のために相当の時間(毎日)を費やして操作方法を習熟し、安全に乗りこなせるまで、一歩、誤れば命を落とすことになることを自覚して訓練を受けています。
この方々が無謀な操作をし、自ら交通事故を起すような行為(行動)をするでしょうか?
電動車椅子常用者は未整備の悪道路を避け、目的地が近くに(傍)に見えていても、遠回りをして安全な比較的整備された歩道を選びます。
ましてや 車道を走ることなど絶対にありません。車歩道の区別のない箇所は通ることになりますが、この状況では車の方が事故を起さないように注意しながら通るのが常識でしょう。
十把一絡げに「電動車いすの使用者の交通事故の増加」と見出しに掲げられることは当事者として耐えられないことです。
本当に事故該当者にこの最重度障害者が含まれていての統計なのでしょうか? 事故状況など、疑問です。
東京高齢者研究・福祉振興財団福祉情報部普及推進室、福祉機器相談係(なんと長い肩書きでしょう)の方が言われる、「走行中、突然停止したときなどカギを抜き車輪開放レバーを操作して、車体を手で押して移動する必要がある」などは障害者にはできるはずありません!
この方は認識不足ですね!障害を持っている方でしょうか?’(天下り者?)
電動をただ、「便利良いから 疲れないから」と利用している方と、本当に必要としている者(自分の足そのもの)との区別(認識)が乏しく感じられます。
押して歩ける体力(脚力)があるのなら電動車いすなど乗るなと言いたいですね!
残存機能維持、寝たきり防止にもなるのに・・・・
障害者が受傷後の社会復帰に一生懸命、己の障害を受け入れ、少しでも外の世界に交わろうと電動車いすの訓練に励み苦しんだことを理解・認識すればメーカー、自治体(警察含)も安易に販売せず、利用をさせず、許可制にするなどの方策を考えて欲しいものです。

最後に 担当された記者さんにお願いがあります。
より、理解・認識を深めるならば、自宅より会社(西日本新聞会館)まで、車いすを使い通っていただきたい。それも手動式で・・・・
ありのままの道路環境、公共交通機関のバリアが体験できます。「ホンマもん」を体験してください!
手に「マメ」ができ、皮が剥げますので手袋をしたほうが良いでしょう。車いすは私がお貸しします。

 体験談のメールお持ちしています。
 次回 記事になされても・・・・
 ではでは
 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
 〒810-0064 福岡市中央区地行******
     新開 俊光
    TEL 092-***-****
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜 
 
 ご意見・お便りは
 下記、電子メール
 bunka@nishinippon.co.jp
と、紙面にあり、意見を述べたのだが本日(2003.7.6)まで音沙汰無しである。忙しいのでしょうか?
 

 この電動スクーターの件でご意見をお待ちしています。
 特に関係者「行政(警察含)・メーカー・販売店」の方々からの メールをいただけますれば幸いです。

                     2003.7.6記

      電動車いすの仲間       顎での操作
クリックすると拡大します
障害者用の電動車いす



ら 【▽等】 

(接尾)
(1) 人を表す名詞や代名詞に付いて、複数であることを表す。謙譲・親愛・
  蔑視の気持ちを含んで、それと同類のものを漠然とさす。
  目上の人を表す語には付かない。
  「ぼく―の誓い」「われ―」「おまえ―」「こども―」
  「やつ―」「これ―」

(2) 名詞に付いて、語調を整えまた、事物をおおよそにさし示す。
  「野―」「今日―」

(3) 指示代名詞またはその語根に付いて、方向・場所などをおおよそに示す語
  を作る。
  「あち―」「ここ―」「どち―」「そち―」「いく―」

              三省堂提供「大辞林 第二版」より 






このニュースの担当者は本当に電動車いすを
理解、認識しているのでしょうか?


https://syunsi2.exblog.jp/27717248/



2019.8.6記




電動車いすの安全利用に関するマニュアルについて


https://www.npa.go.jp/bureau/traffic/anzen/e_wheelchair.html

平成27年度までの事故データ情報


警察庁



2017.2.6記



 最新の電動車いす事故情報
http://syunsi2.exblog.jp/23328673/


消費者安全調査委員会(消費者庁)が再発防止策を盛り込んだ報告書
平成28年7月22日



2016.7.25記



 最新の電動車いす事故情報(平成21年〜平成25年)
 http://syunsi2.exblog.jp/20818225/



福祉情報の項目欄に戻る

inserted by FC2 system