出前で感じたことは


「障害者に対する認識が頭では分かったつもりでも、
実際に体験すると思った以上に困難であり、まだまだ理解してない点がたくさんある」
といった意見が多くでた。

 これは普段、

車いすや視覚に障害を持った人の姿を街などであまり見かけず、
接する機会が少ないということが障害を持った者に対する認識不足になって
いるのも一因です。

障害を持った者、自身も家に閉じ込もっていては何も解決できない
ということを認識して
少々不便ではあるが街に、地域に積極的に出てありのままの自分を
見てもらう努力が必要であり、
これが市民の皆様の理解を得、壁を取り去るのではないだろうか。

例えば わたしは酒が好きで、車いすの身になる前はほとんど全国の
「盛り場」を闊歩してきました。自慢にはならないが・・・

そこで

「バリアフリー設備にすれば儲かる」

サービスや味が他の店に劣ってては話になりませんが、バリアフリー
であるという要素はこの高齢化社会においては十分他の店との差別
化につながります。

わたしが友人と食事をしようとします。

サービスや味がさほど変わらなければバリアフリーの店を選びます。
また、乳母車を押すお母さん達も使う可能性は大でしょう。

結婚式・イベントなどでホテルや大規模会場などを使うことを
考えれば、バリアフリーだけで数百人規模のお客を呼べます。

バリアフリーの設備自体を必要としてる人は社会全体から見れば少
ないかもしれませんが、その人達には家族もあれば友人、知人も居
るという事です。

現にバリアフリーを取り入れた事で、繁盛してる居酒屋やパブが別
府には存在しているという情報もTVニュース等で。

まだ、多くの経営者がこの事に気づいてないだけだと思います。

このように実生活を通しても様々な障壁に遭遇し、いろんな場面に
ぶち当たり、それをチャンスととらえ、啓発・啓蒙を行うのも自身
のためでは・・・・・。


 出前福祉が意義ある活動であるかを再認識させられた。


 その国の福祉環境が整備されているかを測定する
バロメーターとして、
その街の中心から車いす単独で走行(移動)できる
距離がどのくらいであるかで
測ることができるのではないだろうか。


車いすが安心して利用できる環境は障害のない人、障害のある人が共生できる、
人に優しい誰もが安心して暮らせる社会だとわたくしは思う。

 私にとってこれらの諸問題を市民の皆様にわずかではあるが
認識し理解していただく意義ある行動ができたと思う。
また、体験して頂いた方々に感謝致しております。
 私自身の移動は地下鉄、タクシー、あるいは車いす単独
でといろんな方法で目的地と自宅を往復した。

 この出前福祉のことを西日本新聞社が平成8年11月27日付 夕刊に掲載。






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