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SIC自己導尿による治療法(総合せき損センター) 医学博士 岩坪映二先生考案 神経の働きが悪くて、尿が出にくかったり、逆に尿失禁のおこるような状態を神経因性膀胱障害といい、原因は様々あります。 このような患者さんの場合、排尿が不充分で膀胱に尿が残るため細菌感染が起こったり、力んで尿を絞り出すため尿路の内圧が異常に高くなって腎臓が膨らんだり、 また、 尿が逆流して遂には腎臓の働きがなくなるおそれがあります。 特に神経障害の場合には、一度失われた膀胱機能の回復はなかなか困難でむやみに排尿訓練を続けると危険な場合があります。 泌尿器科専門医の診察、適切な治療を受けましょう。 上のような理由で排尿がうまくゆかず合併症の起こる恐れのある場合「低い圧力で完全に排尿する」方法が望ましい訳で、これには時間おきにカテーテルを使って自分自身で導尿する 「自己導尿法」があります。 この方法は医師の指導下に、 その手技に慣れれば細菌感染も、 尿道や膀胱を痛めることもなく前に掲げた合併症の進行を防ぐことができます。 また、尿失禁や痔、脱肛の発生を防ぐ面でも有効ですから生活が楽になります。 自己導尿法の手順及び注意事項は下に略記していますが、一番大切なことは膀胱に尿を貯めすぎない (300cc以下で導尿する)こと、スムーズなカテーテル操作で毎回残尿を残さぬことです。 導尿がうまく行なわれていることが分れば、水分を制限して回数を減らし、感染予防の薬剤も必要なくなりますのでそれまでは医師の注意をよく守ってください。 ※注 意 1.一回導尿が300cc以下になるように導尿する。 尿を貯めすぎると失禁 や細菌感染が起こり易くなる。 2.尿に細菌が感染すると混濁・血尿・悪臭が起こり失禁し易くなるので、 導尿のたびに尿の性状を確認する。 3.尿が濁ったら普段以上に水分を取り2〜3時間以内で早めに導尿する。 4.導尿を中途半端にしたり、自排尿を試みるなどの自分勝手をしない。 5.10%イソジン・グリセリン液は次第に薄くなるので週に一回は交換する。 |
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〔SICケース〕 ●特 徴 本品はシリコン製ネラトンカテーテルを使用し、 膀胱内に挿入を容易にする様にマンドリンを使 用している。 導尿ケース内には10%イソジングリセリン液を 入れてありカテーテルは常に清浄に保存されて いる。 ●適 応 神経因性膀胱(脊損・二分脊椎・その他末梢神経 障害)や前立腺肥大症などによる尿閉・残尿・ 尿失禁に対して使用 |
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カテーテルとマンドリンを入れる カテーテルを入れ、マンドリンを抜いていく 集尿袋や尿瓶へ Made by wheelchair |
●手 順 1. 導尿操作の前に石鹸、水道水で手指をよく洗う。又は75%アルコール 消毒綿で手指をよくふく。 2. 左手でペニスを持ち0.05%ヒビテン消毒ガーゼで尿道周囲、亀頭部を拭 き、このガーゼ上にペニスをのせる。挿入が困難な場合は潤滑剤(キシ ロカインゼリー・アネトカインゼリー)を使用 3. 少しでも排尿できる人は、尿道を自分の尿で洗い流す意味で導尿する前 に少し排尿する。 4. SIC式自己導尿カテーテルを右手に持ち、左手で保持したペニスの外 尿道口から静かに入れる。 5. カテーテル全体が尿道内に10〜12cm入ったところで、ペニスを持った左 手を離す。 左手はカテーテルの上の方を持ちかえ、右手のマンドリンを5〜10cm引 き抜き加減に浅くしてカテーテルとマンドリン全体をその位置ままで更 に尿道深く入れてゆく。 膀胱内に入ったら尿が出てくるのが分るので、左手指でカテーテルをつ まみ、尿がこぼれるのを防ぎながら右手に持ったマンドリンを抜き取る。 (カテーテルが不潔にならないようにカテーテル基部より7cm先以上は 触らないように注意しなければならない) 6. マンドリンを導尿ケースに戻し、右手で尿瓶(ビニール袋)をカテーテ ルにかぶせて尿をとる 7. 尿が完全に出てしまうのを確認しながらカテーテルを抜き取り導尿操作 を終わる。 8. カテーテルを水道水で洗い、しずくを切ってカテーテルケースにしまう。 |
ネラトンカテーテル 長さ33cm Fr.12 二孔式 製造元:テルモ
=◆ 参照サイト ◆=
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自己導尿を必要とする患者(在宅自己導尿指導管理料算定患者数)さんは現在、日本に約17,000人います。 特に小児の患者さん*の場合は周囲に対する恥ずかしさから、排尿の自己管理が不十分になるこがあります。 *小児の患者さんは約2,000人程度と思われます。 (出典:テルモ プレスリリース2000 > 「ポケットカテ」2000.11) 最近の在宅医療(診療行為)の実施件数(社会医療診療行為別調査、厚生労働省調べ)では在宅自己導尿患者数は【29,172】人(平成15年)との調査結果がでています。 出典:http://www.env.go.jp/recycle/report/h17-03/02-1.pdf 2008.10 記 「在宅医療廃棄物の処理に関する取組推進のための手引き」 (環境省)では在宅自己導尿患者数は【47,711】人(平成18年)となっています。 平成20年3月 在宅医療廃棄物の処理の在り方検討会 より
これ以降の資料は公表されていません 出典:http://www.env.go.jp/recycle/misc/gl_tmwh/main.pdf http://www.env.go.jp/recycle/misc/gl_tmwh/full.pdf 2012.7 記 このような情報をすばやく知る方法はないのだろうか?
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