車いすに対応した理想的な施設


車いす常用の重度障害を持った者が民間の

施設(レストラン・事務所・ホテル・旅館・その他)を利用する場合

まず、

その施設に出入りが可能かということを真っ先に考えます。

つまり、玄関に段差(階段)がないか。

スロープなどの設置がなされていても、急勾配になってないか

車いすが通れる幅員が充分にあるか。

中層建築物(2〜5階)の場合、エレベータやエスカレーターの設置の有無。

アプローチの出入り部だけでもこれだけのチェックをすることになる。




この写真のようにスロープは設置されているものの、上り口部の段差やスロープの急勾配で車椅子では介助を必要とします。
また、幅員も狭い。
折角の配慮が役に立たず台無しになってしまっている。
設計思想に問題があるのでは。
この僅か二段の階段が結果的には車椅子での利用を拒否することになっています。

部分的にスロープを設けるなどの措置をすれば解決できるのだが・・・

この施設、以前は階段ではなく、スロープだった・・何故でしょう?


平成17年3月にこの施設の
正面玄関にスロープが設置されました


















このような個所(事例)はいたるところで見受けられます。



次に

重要なことは

車いすでも使用できるトイレの確認である。

個々の施設(店舗内)にトイレがなくても

そのビル内に1、2箇所の「車いす対応公衆トイレ」が設置されておれば利用が可能になる

これらの条件が揃って、安心してその施設を利用できることに。


最近、建設される自治体の公共施設はほとんどこれらを満たしているが

民間施設では百貨店や大手量販店などが利用できる程度である

個人経営の食堂、酒場などはほとんどが出入りさえできないというのが現状。


しかし、その施設が様々な設備がなされ、車椅子に対応できていても

公共交通機関のページに記述していますようにアクセス等の未整備で

利用が困難なことが多々ある。


「バリアフリー」が叫ばれていますが、ほとんどのバリア(物的障壁)は

自然が造ったのではなく

人が造った物、それを取り除くのも人。


“心”のバリアフリーを持てば、取り除くのも簡単にできるのではないのでしょうか




理想的な施設の事例



横開きの自動ドアでゆっくりと時間をかけて開きます。

車いすが単独で行動する場合、ドアは横開きが安全に入ることができます。

観音開きは苦手です!
スロープは脱輪を防ぐ、ガードが設けられており、安全に上り下りができます。
勿論、テーブルも車いすが入れる高さが必要です。

テーブルと車いすが離れると口元への運びが上手くいきませんね。
施設へのスロープ
玄関先に車いす駐車スペース
同じ施設内に「車いす対応トイレ」が
設けられています。
時間など気にせず、この施設が利用で
きます。


ここにも理想的な施設がありました







 理想的な温泉旅館 


・・・ 湯舟へ安全に移動できる施設事例 ・・・

湯舟の脇に車いすが乗り移れる渡し板を取り付ける(写真左奥)
キャスター部(前輪)は渡し板の下部へ入るようになっている。赤丸部

これは車いすと渡し板の距離(隙間)を無くすため。
渡し板と車いすの隙間がないのでスムーズに乗り移ることができる。
渡板上を移動し湯船へ

この方法でしたら、単独で湯舟に入れます。
車いすのキャスター部が渡し板の下部に入っているのが良く分かりますね!
滑ることなく安全に湯舟にたどり着き、入ることができます

障害を持っていても皆様と同じ人間、ゆったりと温泉に入れることの願望はより以上のものがあります。
ほとんどの温泉地が利用でき難いが故に・・・
写真は長野県松本市 浅間温泉「玉乃湯」さん 
より提供していただきました


全てのホテル・旅館の経営者の方々がこのような意識を持てば
車いすでも安心して泊まれます

この施設をお手本にバリアフリーの宿泊施設を・・・・
このような浴槽でも乗り移りができます。
大浴場の一部にこれを造ることで入ることができるのですが・・・
もっと、シンプルに









長崎県南高来郡小浜町の温泉もバリアフリーです。
スタッフの方、6名が
ホームヘルパー3級の資格を取得されていますので
安心して湯舟に・・・


 いい湯だな 楽しいな



福岡県糸島郡二丈町にバリアフリー温泉施設








ここでは少し介助してもらって楽しみました。







皆様には考えられない非現実なことですが
車いす常用者には現実です




理想的な野球場施設の事例

野球場だって海の向こうはバリアフリー

メジャーリーグの球場は好きな席(場所)で
家族・友達と当たり前に観戦できる。





因みに国内外の球場の現状は

甲子園球場が改装され、車いす席が内野に12席設けられました。

マツダスタジアム(広島市)がバリアフリー推進功労者 国土交通大臣賞で表彰
2010/1/16


ヤフオクドーム内野席に「車いすゾーンA席」が新設される(2013年)
2014.4.5 記
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ヤフオクドームホームランテラスに「車いす席」が新設される
2015.4.24 記
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車いすAゾーン(4席)・車いすBゾーン(1塁13席・3塁13席)・ホームランテラス(6席)
計:36席になりました。

改装(2019年)で車いすBゾーン(1塁8席・3塁8席)に?

26席に減らされた。とほほ

2015.5.5 対ロッテ戦をホームランテラス車いす席で観戦してきました。



選手の息づかいが聞こえるほどのグランドに近い車いす席。
 ↑スライドショー


観戦報告

上記「因みに国内外の球場の現状は」でも報告しています

以前、ヤフオクドームで観戦した際、車いすユーザーと言うことで屈辱感を味わった体験談





介護保険制度が平成12年4月から実施されていますが

介護されることばかりが

取り上げられて、如何にすれば寝たきりを増やさないようにするか

という論議は少ないようです。


様々なバリアが無くなれば高齢者や障害者がどこにでも自由に出かけられ、

目的とする場所ができ

そこで、人との関わりが、

何がしかの役割を持ち

積極的に出ようとする気持ちが起こる。


行動することで

家に閉じこもり、ベッドで「寝たきり」や「痴呆症」になるのを

少しでも防ぐことができるのではないのでしょうか


車椅子に対応した施設(交通機関も含む)は障害者だけでなく高齢者の社会参加を促進し、

「寝たきり」をつくらないことにも貢献することでしょう

障壁(バリア)を無くすということは車いす生活者にとってだけ

プラスになるばかりか、多勢のみなさま、特に経営者の方にもプラスになります。

それは

車いす単独で利用するということは少なく、

家族、友人、高齢者団体、老人会などにも車いすの者がいれば

その施設が利用できないとなると

数人から数十人の利用客を失くすとことに・・・

障壁(バリア)があることがマイナスになる。



車いすに対応した宿泊施設
「宿泊施設のバリアフリー対応情報」は、国土交通省が運営する
宿泊施設のバリアフリー化状況情報提供サービス








「高齢者、身体障害者等が円滑に利用できる特定建築物の建築の促進に関する法律」
「ハートビル法」
と言います
シンボルマークをクリック、詳しく解説(国土交通省へリンク)

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「高齢者、身体障害者等が円滑に利用できる特定建築物の建築の促進に関する法律」
(ハートビル法)は、平成15年(2003年)4月1日に施行されましたが、
バリアフリー新法の施行に伴い、平成18年(2006年)12月20日に廃止。

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令和6年4月1日から

合理的配慮の提供が義務化されます!



https://www.mlit.go.jp/jutakukentiku/build/barrier-free.files/guideline12.pdf
高齢者、障害者等の円滑な移動等に配慮した建築設計標準
平成24年国 土 交 通 省


https://www.mlit.go.jp/common/001391391.pdf
高齢者、障害者等の円滑な移動等に配慮した建築設計標準の改正概要
(令和3年3月)

https://www.bcj.or.jp/db_upload/building_letter/2021/202105-33-36.pdf
「高齢者、障害者等の円滑な移動等に配慮した建築設計標準」の改正について
国土交通省住宅局建築指導課

https://www8.cao.go.jp/shougai/suishin/sabekai_leaflet-r05.html
リーフレット「令和6年4月1日から合理的配慮の提供が義務化されます!」

https://www8.cao.go.jp/shougai/suishin/sabekai.html
障害を理由とする差別の解消の推進(内閣府)

https://shougaisha-sabetukaishou.go.jp/
障害者の差別解消に向けた理解促進ポータルサイト

障害者差別解消法が改正され、今年4月から障害者に対する「合理的配慮」が民間事業者に義務付けられる

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https://www.city.fukuoka.lg.jp/data/open/cnt/3/13176/1/2-1kenntikubutu120200401.pdf?20220421102247
59p 設計編〔建築物〕6.便所









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