介護タクシーきょう始動




誰でも加齢に伴い、足腰が弱くなったり

あるいは不慮の事故で車いすのお世話になる身体になれば

部屋に閉じ篭りがちになり、外出も億劫になってくる。

それに伴い、地域との接触も疎かになり、人との交流も少なくなる。


公共交通機関である電車・バスを利用しようと思っても様々な

バリア(障壁)が待ち受け

目的地まで、そう簡単には移動することはできない。


福岡県タクシー協会(312社加盟)は本日(平成11年12月15日)から

介護タクシー事業を「ケア・タクシー」という統一名称で発車させた。

ホームヘルパーの資格を持つ乗務員が高齢者や障害者の外出を

支援しようということだ

玄関から玄関(目的地)まで介助を受け、利用できる。

これまで不便に感じていた公共交通機関の

電車やバスを利用せずに目的地まで行ける

ことは閉じ篭りがちな高齢者や障害者にと

って行動範囲が拡大する。

ありがたいものだ。

しかし、他の公共交通機関はエレベーター

や低床バス(スロープ付)を導入すること

で車いすでも乗降できるように配慮、乗り

降りには無償の介助サービスが受けられる

ようになっている。


また、これらの設備投資にもかかわらず料金は割り引いている

これに対し


今回の介護タクシー事業「ケア・タクシー」は

指名料:500円

サービス料(30分あたり):1,200円となっている


30分以内の近距離を利用する場合は1,700円アップの従来の

利用料金の2倍以上となる


また、これまで車いす使用者であっても腰を少しばかり移動するのに

介助を受ければ

自力で乗り降りでき、従来のタクシーを利用していた者までも

車いすを使用しているということで「介護タクシー」利用をタクシー会社から

強いられることを懸念している

これでは差別化を明確にしているようなものだ。


以前、今のように介護保険制度が世間を賑わせてない平成2年、

福祉タクシー(リフト付き車両)を福岡市内では7社が導入していた。

しかし、利用料金が通常の3倍と高く、利用者があまり無く、

採算割れに負い込まれ、結果は運行中止に。


現に、私も平成2年、自宅から博多駅まで利用した。

地下鉄にはエレベーターは設置されてなく、低床バスも運行してない

地下鉄が160円前後、小型タクシーが1,700円(自宅から)のころだった

この福祉タクシーで7,000円の運賃を請求された。

これでは利用者が少ないのも当たり前でしょう。

今回の「ケア・タクシー」も

不況による利用者減や運賃自由化などの動きをとらえての取り組みと思われるが

需要と供給のバランスの取れない運行は失敗に終わるのでは!

公共交通機関の少ない過疎地では喜ばれるが。


他の公共交通機関のように介助は無償とし、運賃は一般と同じに

すれば介助の必要な高齢者や障害者の利用も多いのでは。

福岡のある市では

ネーミングを「さわやかタクシー」 と名づけ、合計11台運行している。

ふつうのタクシーを、少し改造したもので、

後部座席の半分をスライド式 またドアーの開閉角度を、

大きくしています。

多少とも障害者の方が、乗降しやすくなるように -----

もちろん料金は、ふつうのタクシーと同じです。

運転手は、当然、介助はしています。

(これはアルバイトでこのタクシー運転手をしている方からの情報)

筑後地区の介護タクシー情報


高齢者や障害者の為の「外出支援」と聞こえは良いが

不況による収益減少をカバーするための値上げを「介護タクシー」に

置き換えた小手先的な発想よりも

現在、乗車拒否や車いすを見ると知らぬ振りして通過しているのを改め、

従来通りの運行でも支援が可能だ。

と当事者(利用者)は思う。





介護保険が平成12年4月施行された。

これに伴い、これまで有料だった「介護タクシー」が無料に!


これは福岡県岡垣町のタクシー会社「メディス」が介護保険から

タクシー代を含めた介護報酬を受けているとの解釈で

これに当て、運賃を無料にした。


しかし


これに対し、運輸省は「無料運賃は道路運送法に違反する」と

運賃を取るように指導している。




無料介護タクシー容認


運賃を取るように指導してきた運輸省は

無料運行を事実上認め5日(平成13年1月)、

九州など各地方運輸局に通達した。

現行法の枠内で「介護タクシー」を合法化するため、厚生省と協議を

重ね、法解釈を思い切って柔軟にしたものである。


タクシー会社が受け取る介護報酬の中に占める運賃の額を

会計帳簿上、明示することで、外形的に「無料運賃」ではないようにするもの。

例えば、30分未満の利用(介護報酬2,100円)で、

運賃1,000円の距離の病院まで運んだとすると

介護報酬のうち1,000円は運賃として領収したと帳簿上処理する


無料運賃問題はメディスを皮切りに全国で5社が指導を受けたが

その後も広がる動きが続き、硬直した行政判断の見直しを求める世論も強まった

ため、

報酬の一部に、との解釈をした。

平成13.1.12記




誰もが住みやすい、優しい街づくりを!


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