障害者割引制度
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私たち 障害を持った者が

公共交通機関(JR・地下鉄・私鉄・バス・タクシー)を利用する場合、

行政から五割あるいは一割(タクシー)の割引補助制度がある。

しかし、最重度の車いす常用の者はその恩恵に預かる機会は少ない。

例えば、高速道路線バスを利用する場合


第一種
身体障害者・知的障害者
第2種
身体障害者・知的障害者
 本人単独  5割  本人単独のみ  5割
 介助者同伴
 
 ◆視覚1級から3級及び4級の一部
 ◆聴覚2・3級
 ◆肢体1級及び2・3級の一部 
 ◆心臓・腎臓・呼吸器・小腸・免疫
  機能障害1〜4級
 ◆膀胱・直腸1〜3級
 
 第1種を除くその他の障害者


上表のように全障害者を対象にした【割引制度】があります。

だけど、

車いす常用の重度障害を持った者はスロープあるいはリフト付きバスでなければ

車いすに座った(乗った)ままでは乗降で来ません

おや、介助を受けて

座席に移ればクッションも良く快適な座り心地では?

と、思われるでしょう。

私も、受傷するまではそのように考えていました。

しかし、現実に障害の身(脊髄腫瘍)になって、分かりました。

「私の身体的状況」にも記述していますように座位バランス

とれないので車いすのように身体にあわせた椅子(座席)を必要とします。

因って、

体型に合わせて作られた車いすが快適に?(そうでもない)

長時間にわたり座っていることができます。

それに

あの狭い乗降口を介助者一人で抱え上げる状態では、どう見ても

無理、また危険でもある。

現実に介助を受けて体験しましたが、今にも転げ落ちないだろうかと

恐怖感でいっぱいでした。

介助した方も

「大きな(等身大の)豆腐、こんにゃくを扱うような感じだった」

「麻痺した身体がどのようなものか分かった」

「この乗降口では安全性に欠ける」

と。

乗降口が広く、座席も

その人の体型に合わせられるようなものであれば可能でしょうが

現在、このような可動式シートはありません。


最重度の方(四肢麻痺等)が使用しているリクライニング式電動車いすは

リフト付きバスが不可欠となります。

それに

人工肛門を造設している方(私を含め)を「おんぶ」するという行為は

腹部を圧迫し、外部に出ている大腸部を傷つける危険な状況になる。

2人から4人で身体を上向の状態にして抱え上げることも

狭い乗降口ではできない。やはり、スロープあるいはリフトを必要とします。

私の知る限りでは

現在、高速道路線バスでスロープ付き・リフト付きバスは

運行されていません。

利用できない路線バスに「障害者割引」とは如何なものでしょう。


また、

障害を持った者が運転する自家用車に高速利用料金の半額補助も

全障害者を対象となっているものの、現実は

運転が可能な障害の方、介助者が運転できる方が恩恵を受けている状況で、

それらから外れた者は豪華な料理を前にお預けをさせられ

「絵に描いた餅」を食わされているような「こころ」の痛みを感じます。

同じ市民(国民)ならば均等に恩恵を受けられてこそ助成の目的

が達成されるもので、そうでなければ

平等という名の不公平なバラマキ福祉の象徴ともいうべき

「割引制度」は見直す意味で、一度 廃止 すべきだと思う。
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何故ならば

誰(健常者、障害者を問わず)もが自由に安心して公共交通機関を

利用できるように、全ての

私鉄、地下鉄、JRにはエレベーター、スロープの設置、

路線バス(高速道バスも含む)にはリフトを取り付け、

タクシーには車いす乗降可能な車種を導入し、全障害者が

いつでも、何処でも、自由に利用可能な社会資本が整備された状況になって、

はじめてこの割引制度が活きてくるのではないでしょうか。



それから、

高速道での自家用車の通行料金半額割引
(自分で運転する全障害者に適用されている。国の補助負担は100億円以上)

対象(恩恵を受けている)となっている車所有者は

車を持てない人々に比べ余裕のある方々が大多数。

この方々に我慢(理解)をしていただくことに。

割引の恩恵に与れない人々は、それ以上に我慢・辛抱しているのです。

車を持てない者は

私鉄・JRの高速道路線バスを単独では利用することさえ困難であり、

必要とするリスト・スロープ付きバス「零」という現状なのに・・・




原則として、受益者負担とし、

公平に料金を徴収するようにすればよいのではないだろうか。

例外として負担困難な方(非課税世帯等)には

「必要な人に必要なだけ」

の援助(割引)をする。
(これは「行政側」の厳密なチェックが不可欠)

これが健常者の意識の中にある、障害者は様々な

恩恵を受けて「我々の税金を使っている」いるという意識を

取り除けることでしょう。


また、

行政に携わる方の中に

 助成、あるいは「何々」をしてやっているんだから文句は言わずに黙っとけ、

といった高慢な態度、意識が存在していては本当の意味での

福祉社会の実現は無理なことでしょう。

これらの割引制度は施設、環境整備の不充分さを隠す「隠れ蓑」

のように思われる。


もう一度 福祉とは を 考えてみませんか?



◆◇高速道路SAのバリアフリー施設◇◆

立派な施設ですが恩恵の受ける人は限られている



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