福岡市中央区民生委員


平成8年6月10日
 
福岡市中央区長浜の福岡市障害者福祉センター
 7階 大会議室において中央区民生委員(58名)に出前講座をする。
この日は午前中に小雨があり、道路が湿っていた。

雨後に車いすが道路を移動するのに如何に危険であるかを
擬似体験してもらうには絶好のタイミングである。

体験してもらう前に会議場で車いすの取り扱い方や現在の
「街づくり」が障害を持った者や高齢者に
ちっとも優しくない点を体験を元に講義をする。

質疑応答の後、外へ出てセンターを一周する体験開始。

歩道を真直ぐに行っているつもりだがどうしても車道側へ
車いすは方向を変えたり、室内で乗るように
軽く、そして思い通りにいかない事に驚きの声があちこちで上がった。

小雨模様とあってタイヤが滑ったり、
ハンドリム(タイヤの外側に取りつけてある金属性の輪)に
水滴が付き、普段の倍以上の力が必要なことなども実体験。

中には、心無い人がそのままにした犬の糞を踏んだ人もいた。
おめかしをして来られた方には気の毒だった。

車いすで道路を行く場合は車道と歩道の段差や障害物だけでなく、
パンクの原因になる硝子片、犬の糞などに常に注意し
景色を見ながらの余裕なんて全くないことも。

一度、タイヤに付いた糞を車いすから降りて拭き取ることは出来ず、
回りに臭いを撒き散らしながら行くことの
恥ずかしさは経験した当事者でないと分からないものである。

 以下体験された方の感想。

 「聞いたり見たりして、頭では分かっていても、実際に
体験して初めてその深刻さを理解していないことがまだまだあることを知りました」

 「車いすが道路をまっすぐに行かず端へ、端へと行くのはどうしてか分かった」

「犬の散歩時には糞を始末していたが車いすが踏めば
深刻な状況に陥ることをあらためて知った」

 「今よりも少しでも優しい街になればと、つくづく考えさせられた1日でした。」




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