車いすに理想的なトイレ



一般の方は普段からその施設にトイレの有無など全く気にせず利用されている

私も、車いす常用の障害を持つ身になるまではそれは当り前のことだと、

何一つ不自由は感じなかった。

しかし、車いすの身になって初めて分かった。

僅かな、5cmから10cmの段差。そして、扉の幅が5cmから10cm狭いため。

皆様には何でもない。

たった、これだけの 「事柄」 で車いすは利用できないということに!

「バリアフリー」、「バリアフリー」と声高に叫ばれているが「バリア」がなにであるかを

理解、認識してない人たちがなんと多いことでしょう。

たとえば、「バリアフリー住宅」と銘打った住宅を見ても

玄関や廊下は段差を取り払っているがそこで生活するに重要な

トイレ浴室はどうでしょう。

車いすが入れるでしょうか?

ほとんどの扉が55cm前後で車いすでは利用できない。

そこで、特別に「改造」し、あつらえなくてはならない。

つまり、狭い扉が バリア となっています。

電動車いす・標準規格の車いすの幅は60〜65cmです。

よって、扉を75cm以上にすれば

この「バリア」はいとも簡単に解消できるのです。

行政サイドで進められている車いす対応の広々としたトイレが必要とする人もいる

この何でも設置すればいいという考えではシンプルさ、単純さという概念は欠如します。

また、メーカーは営業利益面ばかり重要視、豪華な設備を標準とし、ユニバーサルデザインと称していますが、

コストやスペースが過剰すぎますね。


しかし、大方は間口の扉を広くすることで解決できるのです。

下に理想とする公衆便所の図を描いてみました。

これらは一般の戸建ちの、つまり自宅のトイレにも応用できることでしょう


  
アコーデオンカーテンで一般用トイレも車いすで使用できる事例


2011.6.12掲載



一般用のトイレをカーテンで仕切るなど


この扉は50cmですが 右側の板壁を可動式(折れ戸
あるいは取外し可能)にすれば
邪魔物無し 車いすでもアプローチできます








赤線部ドアの幅54cmこれでは入れません





青線部の壁を可動式にすれば幅は90cm以上になって車いすは便器に密着、乗移りができます。


ある宿泊施設の一般用トイレです。2ヶ所が洋式で、その一つに車いすの入れる幅の扉があり、70cmでした。設計で意識して一般用にも車いすが入れる幅員にしたものか? との、問いに案内してくれた担当者は「間取上、偶然その幅になってしまった」ということ。
この施設の他の階もこのタイプのものでした。
この幅員の扉の規格外も製造されているのですね!何処の施設も、このタイプのものになれば一般用も使用できるようになりますね!!
狭いけど、便器への乗り移り、自己導尿での処置も可能でした。
入口が片開きなので、入り難く、無理して開けるとドア等を傷つけることになる

車いすが使えるトイレが「多目的トイレ」と表示されるようになって、幼児・妊婦・高齢者・若者と一般の方に占められるようになり、使用できない状況が増えてきました。

一般用もこのトイレのように車いすも入れるものになれば・・
この施設の多目的トイレです。
4畳ほどの広さで、幼児用ベッド・子供用便器・着替え用台などなどが・・・・

しかし、大人用ベッド、ストマ(人工肛門)用洗浄器は設置してなかった。

多目的とは!?
視点が間違っているのでは?



いかがでしょう。こんなトイレがどの施設にでもあれば、

というよりも、このような設置基準を設け、義務付ければトイレのことなど気にせず

安心して外出ができ、車いすでも皆様と同じように生活をエンジョイできるのです

高齢化社会が目前に!

寝たきり高齢者を増やさないためにも!

また、介護保険制度で介護料金の負担増に苦しまないためにも

理想的なトイレ造りに着手してほしいものです。

最近、こんな設備も・・・

車いす常用者(脊髄損傷)は降りて立つことはできません

用(排便)をたすにはズボンを下ろさなければなりません。このベッドに移り脱ぎます。
また、褥瘡防止の為のプッシュアップの繰り返しや車等への乗り移り等でズボンが下がってきます。介助者がおれば上げて貰えますが一人ではできません。
障害を持ってない方でも立ったままですと疲れますね。同じようにズ〜と座ったままでも疲れます。特に頚髄損傷者は貧血や座位バランスがとることができず、より以上に横になることを必要とします。
このような設備があると長時間の外出が容易に・・・・
福岡市の設置場所はまだ情報がありません     


平成17.2.3に開業した「市営地下鉄七隈線」の各駅に設置されました。
(2005.2.25 記)


脊髄損傷者の排尿は

  (1)失禁はなく、コントロール排尿ができる(極めて少ない)

  (2)失禁性排尿 (おむつ、集尿器使用)
    雑菌感染に要注意。

  (3)清潔間歇的導尿(自己・介助者)
    雑菌感染に要注意。

  (4)膀胱瘻
    人工肛門に似ています。膀胱の上から穴を開けてバルーン
    カテーテルというものを挿入し、尿を出す方法。
    カテーテルの先は蓄尿袋等を付けます。常時留置、カテー
    テルは定期的に交換します。雑菌感染に要注意。
    外出時は極端な話、トイレが無くても側溝や草むらに足先
    から出した管を通して処理できる。

  (5)尿道留置
    カテーテルを尿道へ挿入し、管を通して排尿します。
    手術の際に経験された方もおられると思います。
    脊髄損傷者(車いす常用)の場合、足に収尿器をくくり付け、
    ある程度溜まれば別の容器(ビニール・空き瓶・ペットボトル)
    に移し処理します。雑菌感染に要注意。
    外出時は極端な話、トイレが無くても側溝や草むらに足先から
    出した管を通して処理できる。
    
  (6)尿路変更術(ストーマ造設)


排便は

  (1)排便日を設定し、下剤を飲み、浣腸・摘便等を行う
    2、3日に一回が普通、毎日は出ない。
    調整に失敗し、外出先などで失便することも

  (2)特殊なケースとして、人工肛門の造設
人工肛門の処理施設です
パウチ(蓄便袋)の洗浄などを
行います。

2003.11.29追記


最近、発見したのだが

衛生機器メーカー・販売店・設置業者の「ユニバーサルデザイン」の理解・認識を更に疑うようになってきました。
これでは車いすは使用できません 用を成さないものを販売して、これでは「詐欺」と言われても仕方ないですね。

詳細へ移動 こんなトイレを造って! ユニバーサルデザインを謳うなんて これは詐欺ですね!
画像をクリックすると詳細ページへ

なんだこりゃ 倉庫かい?

2011.11.21記






平成12年(2000/11/15)、
交通バリアフリー法が施行され

それに伴ない

スーパー、デパートなど大型公共施設には

徐々に車いすトイレが設置されてきました。

これまで、重度の車いす常用者は

トイレが使用できないという理由で外出をためらっていました



これらが完備したことで容易になり、みなさまと

同じようにショッピング・レジャーなど人生を楽しむことができるように

なってまいりました

しかし、バリアフリーをこのように認識されている

識者といわれる福祉関係者(自らは障害者ではない)の発言には

驚かされました。
(2001/7/4 NHKラジオ 朝7時)

車いす対応のトイレは障害者だけに開放されるのではなく

高齢者・妊婦・幼児にも開放すべきである

弱者すべてに、公平に!

これがバリアフリー(UD:ユニバーサルデザイン)思想だ!?



一見、なるほど、だれにも?使用できる施設

「良いことでは」と、みなさまは思われることでしょう。

では、

一般のトイレを車いす常用者が利用できるでしょうか。

利用できないから、いや、出来ないように造られているが故に

車いす対応トイレを設けているのでしょう。

当事者(車いす常用者)の視点で物事を見ていない発想ですね!

そりゃ、中には車いすを使用している人でも

立てる。4、5mは歩ける。

など

車いす対応トイレを絶対に必要としない人が一般用を利用しているのを見かけます。


余談になりますが

介護保健制度が施行されてから(いや、施行数年前から)

介護認定(障害者福祉法による身障手帳の級数含む)の絶対数を

確保するためなのか?

介護業界としては「玉(パイ)」がなければ採算がとれないので

玉を増やせと「圧力」?

あるいは業界に行政や医師会が配慮でも?

また、

障害者手帳の認定(介護認定)が甘いようにも思われる。

以前は2級・3級であったものが

現在は

最重度の1級に認定されているようである。

私の知る限りでは

腰椎損傷で下半身麻痺

腰から下を装具で固定し、歩行器や杖を使った二点歩行でも、
(もちろん、両足は完全麻痺しています)

2級の認定だった。


これは病院内(屋内)だから歩行できるのであって、実社会では使用不可なのです。

それが、片杖で歩行、階段も上り下りでき、

座位バランスなども正常に近い方々が

1級である。

3級でもいいのではと思うほどである。

彼がこれを知ったらどのように思うだろう


本筋に戻り

特別扱いをするようなトイレを設置する思想の方が

差別(バリア)の危険性があると思うのです。

前述のトイレを造れば解決するのではないのでしょうか

いかがですか?


(H13.7.4記)




誰でもトイレ考


最近、バリアフリー思想が浸透してきたのか、扉にこのようなステッカーを貼付された「身障者(車いす対応)トイレ」?が増えてきました。
一見、なるほど、公平に誰でもが使用できるのだ!良いじゃないか!?と、思われることでしょう。

しかし、先に記述しているように「車いす常用者」は他のトイレは使えません。このステッカーの貼られたトイレは何時も、使用中になっていることで、待たされることが多くなってきました。

また、出てきた人は「何故? こここを・・・」と思われる成人男性や子供連れ(4,5歳)のお母さんが目立ってきました。

子供をダシに化粧直しでもしているのでしょうか?待たされる時間が長〜い。

それに、この方たちの使った後は一般用に見受けられるように床を濡らし、汚物片を散し、洗面台は梳いた髪が、車いすではそれらがハンドリムやタイヤに付着し、不潔で使用する気にもなれません。

一般のトイレを車いすでも使えるようにと、上述しましたが、これまで、改善された箇所はほとんど見かけません。

そこで、こんな「案」は如何でしょう!

身障者対応トイレを必要とする方々は・・・・・

身障者は身体障害者手帳、高齢者は介護手帳?・乳児を持つ母親には「母子手帳」が公的機関から交付(申請者)されます。
交付の際にこのトイレ使用の「鍵」を配布する。

方法はいろいろあります。
カードタイプの鍵・コイン鍵・手帳等のカード化、最先端技術のICチップなどなど。勿論、トイレはこれらが使えるように改良しなければなりません。
「鍵」を持たない方が使用する場合は使用料(10円〜100円)を入れれば使用できる。

あるいは障害者トイレを公平に「誰でも使えるトイレ」として、全部「有料」とする。管理・清掃費用の面から言えばこれが一番理想的かも知れませんね!

この発想はあくまでも、「車いす常用者」が快適に、そしてスムーズにトイレを使用することができるようにを前提にしたものです。

費用もかかるでしょう
  
しかし、
このようにしなければ必要とする者が使えない状況になりつつあります。


一般用が車いすで、使用できれば必要とするものではありません。

いや、
見られたくない、恥ずかしいといった方には必要かも知れませんね。

因みに私は「自己導尿」の様子を見られても構いません。
「ありのままの姿」を理解・認識していただく絶好のチャンスと
考えております。

猥褻物陳列罪に問われるのでしょうか?


【注】内部疾患(人工肛門・自己導尿)の方にもこの車いす対
応のトイレがあれば処理がスムーズにできます。
私が人工肛門を造設しています。



誰が名付けたか知らないが

「多目的トイレ」・「ユニバーサルデザイン」

と称しているらしい!


(H15.6.22記)




ありましたここに
「ユニバーサルデザイン」に最も近い理想的な施設が
2006年4月28日に開店したこの大型店舗に
2006-5-12 記
車いすトイレの写真


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最近、手拭紙やタオルから温風乾燥機に代わりつつあります
でも、高さなどがマチマチで使い難い箇所がある

ユニーバーサルデザインは
ユニバーサルデザイン(バリアフリー)の発想は個々の製品そのものも重要ですが、点(製品)・線(移動)・面(棚や机、その他機器の配置)一体的に考えることも必要ではと思っております。ハード・ソフトが整って・・・初めて言えるのではないでしょうか
また、本当に必要としている人を基準にすることも「UD」ではないでしょうか



取り付け位置(方法)が高い例



届きません!



あるショッピングセンターの「多目的トイレ:ユニバーサルデザイン」と謳った温風手乾燥機です。取り付けられた位置が高いので使い難い!!・・・何がユニバーサル??
鏡の取り付け位置と方法も車いすにはUDとは程遠い!?
上の写真と下の写真での何かの違いに気付かれましたか?
そうです!鏡の取り付け方ですね 
本当にユニバーサルデザインが何であるかを理解・認識してない違いのサンプルです。
皆様も、頭(頭髪)だけしか見えない鏡でしたらどのように思われますか?



理想的な取り付け位置例
洗面台の高さに揃えてあります
また、濡れた手で車いすのリムを握れば
手を洗った意味がありません。
移動することなくその場で乾かせる位置
が望まれます
楽に使えます
洗面台に肘を置いて使える高さです
その例
ちょっとしたことですが、ユニバーサルデザインを謳うのなら全ての人が無理なく、楽に使えることが必須条件ではないでしょうか。
妊産婦・高齢者・障害を持った人も含めた・・・デザイン!!





百道浜の海岸部が車いすで快適に散策できるように改良されました


詳細


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●愛宕浜・百道浜・地行浜 シーサイドももち海浜公園のトイレ改造工事
2015.1.15〜順次改造 2015.3.31 1期工事が終了しました。2017.2.27 全工事が完了!

クリック!↓
愛宕浜・百道浜・地行浜 シーサイドももち海浜公園のトイレ改造工事詳細 改造するにあたり、港湾局の方から理想的な「トイレ」を造りたいので
設計段階から参加して欲しい旨、連絡があり当事者として携わりました。

一般用はこれまで車いすユーザーが入れない、使えなかった構造の物を
使えるように改善する。完成までの記録です。

8回に渡り詳細を掲載しました。ブログ「タグ」の改造工事をクリック!!


2015.6.4 記  2017.2.27 追記 全トイレが車いすで使用できるように改修完了


  福岡市営地下鉄「天神中央口 西側コンコース」に設置されている【みんなのトイレ】





皆さまにはほとんど気になさらず、ゴミ箱へ





足踏み開閉フタ ゴミ箱
「マークイズ福岡ももち」多目的トイレ内にて
2018.11.21撮影


自動開閉フタ付ゴミ箱
福岡センタービル B1多目的トイレ
2018.10.21撮影

改良された中央区役所の多目的トイレに置かれた「足踏み開閉フタ」


手で押さえろ(開けろ)というのでしょうか (>_<)!! 自己導尿時に使った「カテーテル」や処理物を捨てることができません。清潔が絶対条件の「自己導尿者」の要望が反映されてない。
理解・認識の無さでしょう。 



私見:

ワークイズ福岡ももちは今年(2018.11.21)開業。

中央区役所の多目的トイレは2、3年前に改修されたものです。

衛生機器製造会社、販売会社(代理店)等のみなさまはこの足踏み開閉「ゴミ箱」を設置することが自己導尿をする障害者にとっては不潔な環境状況で感染し、命に係わる重要な問題になるとは理解・認識されていなかったと言うことを如実に物語っています。




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ホーキング博士が「ロンドンパラリンピック」開会式の際、合成音声(コンピュータ)でのメッセージ

  【知識の最大の敵は無知ではない
                          
        知っていると錯覚することだ】 

https://pds.exblog.jp/pds/1/201310/19/86/d0098186_18101066.jpg

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福岡市の全区役所や他の官公庁など、行政施設を回って確認した訳ではありませんが、現在、設置されてる「多目的トイレ」は一般の方(市民)の要望を満たしたものであっても本当に必要としている人たちの要望を反映したものではありませんね。

「多目的トイレ」「だれでもトイレ」「みんなのトイレ」とは?

手本となるべき「行政」のこの姿を見て、右へ倣え「これでよい!」のでは困る。

開業前にバリアフリー探検した市営地下鉄【七隈線】の多目的トイレも立派なものでした。その際にもこの指摘(要望)をした。
http://wheelsinko.web.fc2.com/access/3gosen/index.html









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